Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 8 No. 1 pp 134-141, 2018

感覚刺激を活用した新たな運動療法手技の開発:シールマーカー法と舌圧子保持法

西尾正輝

要旨:運動を的確に遂行するためには感覚,知覚,認知などの情報を処理する過程が不可欠である.また,運動機能の回復は脳の認知過程を柱とする学習過程としてとらえられ,認知過程をより強く活性化することで運動機能の回復を促すことができる.すなわち,感覚刺激を適切に強化し認知過程へとつなげることで,障害された神経回路網の機能的再生が促されると推察される.こうした感覚刺激を活用する視点から新たな運動療法手技としてシールマーカー法と舌圧子保持法を開発し,その手技について解説した.

キーワード:シールマーカー法,舌圧子保持法,高齢者の発話と嚥下の運動機能向上プログラム,MTPSSE

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