1991年
国保旭中央病院に事務局をおいて「旭音声言語研究会」が発足.ディサースリアについての国内では初めての学際的研究団体として,「旭式発話メカニズム検査」の開発と普及に努めるとともに,ディサースリアの臨床にかかわる研究活動,啓蒙活動が精力的に展開された.
2002年
旭音声言語研究会を解散し,ディサースリアの臨床にかかわる言語聴覚士による全国レベルの研究団体として,「ディサースリア臨床研究会」が結成された.初代会長は,西尾正輝氏(国際医療福祉大学).発足1年で,会員数は200名を越え,関東支部の初回定例会では130名の参加者があった.
2004年
「旭式発話メカニズム検査」から10年のエビデンスの蓄積を経て,本研究会会長の西尾正輝先生により「標準ディサースリア検査(Assessment of Motor Speech for Dysarthria:AMSD)」が発表された.本検査法は,ディサースリアの臨床検査に必要な3つのプロセス,すなわち,1)一般的情報の収集,2)発話の検査,3)発声発語器官検査,のすべてを含む総合的な検査となり,標準化作業が遂行された.
2012年
本研究会の会誌である「ディサースリア臨床研究」が創刊された.
2016年
ディサースリア臨床研究第6巻第1号(2016年12月発行)にて,本研究会会長の西尾正輝先生らにより「嚥下運動機能検査(Assessment of Motor Function for Dysphagia:AMFD)が発表された.本検査法は,AMSDを改変し,急性期リハ・回復期リハ・維持期(生活期)リハに加えて,介護予防の領域全般で実用できることを目的として開発された摂食嚥下障害の実用的なスクリーニング方法である.
2017年
ディサースリアと摂食嚥下障害は系統発生学的に密接に関与し,両者は合併率も高く,障害構造も類似していることなどから,本研究会の活動内容に摂食嚥下障害領域が加えられた.