Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 8 No. 1 pp 55-61, 2018

神経筋疾患と摂食嚥下障害

山本敏之

要旨:神経筋疾患とは1つの疾患概念ではなく,様々な疾患の総称である.したがって,疾患によって摂食嚥下障害のタイプは異なり,多くは原疾患の病態を反映する.神経筋疾患の摂食嚥下に介入する場合,疾患について理解し,摂食嚥下障害の原因をよく考える必要がある.また,神経筋疾患では,摂食嚥下障害だけでなく,合併する症状を含め,患者全体をみること,そして,介入している時期だけではなく,疾患の経過全体をみることが重要である.近年,神経筋疾患の診療ガイドラインが整備されてきている.本稿では診療ガイドラインを紹介しながら,神経筋疾患の摂 食嚥下障害へのかかわり方について述べる.

キーワード:神経変性疾患,筋疾患,摂食嚥下障害

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