Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 11 No. 1 pp 7-13, 2021

原著
DRACE スコアを用いた効果的な 摂食嚥下リハビリテーションの実施方法

中野 浩 他
医療法人河野医院リハビリテーション科

要旨当院における摂食嚥下リハビリテーション(以下,リハビリ)効果を,外来診療で比較的容易に収得できる 地域高齢者誤嚥リスク評価指標(DRACE)を用いて検証した.本研究はその改善度および改善率の評価を通じて,嚥 下リハビリをいかに効果的に行うかを検証することを目的とした.対象はリハビリ前後でデータが収集できた 27 名 である.DRACE スコアはリハビリ開始時 10.3 点から判定時 6.4 点へと改善した.摂食嚥下リハビリの改善率は 77.8%,改善度は-3.9 点であり,高いリハビリ効果が確認された.また,リハビリ週2~5回施行群の 100% 改善率 に対し,週1回施行群は 60.0% 改善率に留まった.より確実なリハビリ効果を得るためには,週2回以上のリハビリ が必要とされることが示唆された.
キーワード嚥下リハビリテーション,改善度,改善率,DRACE

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