Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 11 No. 1 pp 2-6, 2021

先行音が後続する無声軟口蓋破裂音へ 与える影響 ―自覚的構音難易度と音響分析による検討―

南都智紀,他

兵庫医科大学病院リハビリテーション部

要旨:本研究では,促音挿入が後続の無声軟口蓋破裂音へ与える影響を検証した.健常発話者 9 名に,/aka/(基準 音条件),/akaka/(連続音条件),/aQka/(促音条件)を短文に挿入し,音読させた.後続する/k/の,最大振幅到達 時間,VOT,最大振幅,破裂成分のピーク周波数の音圧強度を分析した.連続音条件と比較して,基準音条件や促音 条件では最大振幅到達時間が短縮する傾向,最大振幅が増加する傾向がみられた.本研究の結果から,連続音条件と 比較すると,基準音条件や促音条件ではより強い破裂成分が生成されていると考えられた.

キーワード:構音練習,促音,音響分析,無声軟口蓋破裂音,構音障害

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