Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 11 No. 1 pp 105-107, 2021

特集2

ディサースリアの治療の重要論文を読む:治療の時代

翻訳

短報 パーキンソン病における発話の認識の障害に対する言語治療効果
Short Report
The Response of the Apparent Receptive Speech Disorder of Parkinson’s Disease to Speech Therapy

Sheila Scott, Fi Caird
From the University Department of Geriatric Medicine, Southern General Hospital, Glasgow, UK
(Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry, 47:302-304, 1984)
訳:森 隆志
総合南東北病院口腔外科 摂食嚥下リハビリテーションセンター

要旨 パーキンソン病患者 11 例に対し,発話生成に関する3種の検査(怒り,質問,中間位)を実施した.また,発話と表情に関するプロソディー特徴の理解に関する4種の検査を実施した.言語治療なしの2週間のコントロール期間をおいて再検査されたが,結果に実質的な差は認められなかった.さらに2週間の集中的なプロソディーの治療の後,プロソディーの異常を示すスコアは,発話および表情のプロソディーの4つの検査のうちの3種,および3種の表現検査のうちの2種(怒りと疑問の形)で改善された.パーキンソン病の言語の認識に関する障害に対し治療効果を得ることができた.こうした機能改善のメカニズムについて簡潔に考察する.

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