Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol.6 No.1 pp4-10,2016

標準ディサースリア検査の嚥下障害への臨床的応用の試み:AMFDの開発

西尾正輝1)  阿部尚子2)  岡本卓也3)  福永真哉4)

要旨:ディサースリアの領域において標準化された検査法である標準ディサースリア検査(Assessment of Motor Speech for Dysarthria;AMSD)を改変し嚥下障害への臨床的応用を試み,簡便で包括的な嚥下運動機能検査(Assessment of Motor Function for Dysphagia;AMFD)を開発した.開発にあたり,AMSDの全29小項目から嚥下運動に関与する17小項目に縮減し,「咳嗽力」の1小項目を加えた.これに摂食嚥下障害において標準化されている3種のスクリーニングテストを加え,全21小項目とした.さらに,補助検査と摂食場面の観察を加えた.症例を通した検討から,従来複雑で不統一であった諸スクリーニング検査を一括して統合的に扱うことができることから臨床的有用性が示唆された.

キーワード:標準ディサースリア検査,AMSD,嚥下障害,嚥下運動機能検査,AMFD

1)新潟医療福祉大学大学院保健学専攻言語聴覚学分野
2)下越病院リハビリテーション課
3)一般社団法人巨樹の会赤羽リハビリテーション病院 リハビリテーション科
4)川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科

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