Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 13 No. 1 pp 68-74, 2023

特集2

摂食嚥下障害の最新のトピックス:機器を用いたアプローチ

総説

マノメトリー
松原慶吾,他
熊本保健科学大学 保健科学部 リハビリテーション学科 言語聴覚学専攻

要旨 嚥下圧検査は,咽頭収縮力や食道入口部の弛緩状態を圧力の変化として評価することができるため,嚥下障害の病態の把握に非常に有効である.咽頭収縮力と食道入口部の弛緩状態を評価できる嚥下圧検査は,食道入口部の開大不全の原因を明らかにできる有用な検査法である.近年では高解像度マノメトリー(HRM:high resolution manometry)が開発され,全周性の36個の圧センサーが1cmごとに配置されていることから,1回の嚥下で嚥下圧動態を詳細に評価できるようになった.本稿では,HRMを活用した嚥下圧の手法を紹介し,リハビリテーション手技の効果を検証したわれわれの研究成果をもとにHRMのアプローチ方法について述べる.

キーワード 嚥下圧検査,HRM,嚥下時最大内圧,上部食道括約筋の弛緩時間

一覧に戻る