Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 13 No. 1 pp 59-62, 2023

特集2

摂食嚥下障害の最新のトピックス:機器を用いたアプローチ

総説

舌骨上筋群に対する末梢磁気刺激療法
加賀屋斉
国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部

要旨 末梢磁気刺激は電気刺激に比して疼痛が少なく,衣服の上からも刺激可能である.われわれは,オトガイ下から舌骨上筋群を疼痛なく刺激可能な末梢磁気刺激療法を開発した.舌骨上筋群刺激により健常人の液体10mL嚥下時と同程度の舌骨挙上が可能であった.また,2週間の末梢磁気刺激により舌骨上筋筋力の有意な増加を得ることもできた.現在,1,800発の舌骨上筋筋群刺激が正味2分で施行可能である.さらに,嚥下反射に同期させた筋電トリガー型末梢磁気刺激も可能と思われる.舌骨上筋群に対する末梢磁気刺激療法は本邦が世界をリードしており,今後世界に広まっていくことが期待される.

キーワード 末梢磁気刺激,舌骨上筋群,摂食嚥下障害

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