Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 13 No. 1 pp 48-53, 2023

特集2

摂食嚥下障害の最新のトピックス:機器を用いたアプローチ

総説

嚥下エコー(筋量,筋質,咽頭残留,誤嚥)
山口浩平,他
東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 摂食嚥下リハビリテーション学分野
要旨 摂食嚥下障害は,誤嚥性肺炎や低栄養などさまざまな有害事象と関連し,患者の生活の質を大きく損なうため,多職種による対応が求められる.超音波検査は簡易で非侵襲と利点も多く,摂食嚥下領域でも「嚥下エコー」として咽頭残留や誤嚥の観察,筋性質評価などに用いられている.嚥下エコーに関する論文報告は多いが,十分に臨床実装されてはいない.嚥下エコーの臨床実装,普及のためには,テクノロジーの活用や既存の検査との組み合わせなどブレイクスルーが必要である.本稿では,嚥下エコーの現状と未来について考える.

キーワード 摂食嚥下障害,超音波検査,嚥下関連筋,誤嚥,咽頭残留,筋質

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