Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 10 No. 1 pp 8, 2020

特集1 言語聴覚士に必要な運動生理学
特集にあたって

福岡 達之

2018 年に開催された第4回日本ディサースリア学術集会(大会長:鈴木真生)では,「ディサースリアと摂食嚥下障害を同時に治療する技能を身につける」というテーマが取り上げられた.西尾正輝会長の特別講演,教育講演,治療技術セミナーなど,いずれも臨床に直結する実践的な内容であったが,そこで紹介された「高齢者の発話と嚥下の運動機能向上プログラム(Movement Therapy Program for Speech & Swallowing in the Elderly:MTPSSE)」は,会場に集まった多くの言語聴覚士の関心を惹きつけた.ディサースリアと摂食嚥下障害は,両障害が共有する器官が多いことから同時並行的にアプローチする必要があり,MTPSSE はそれらの治療アプローチを体系化したプログラムといえる.

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