Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 10 No. 1 pp 61-65, 2020

特集1 言語聴覚士に必要な運動生理学
総説 リハビリテーションと栄養

山縣誉志江,栢下 淳

県立広島大学人間文化学部健康科学科

要旨 低栄養状態の高齢者が増えている.高齢者の栄養管理においては,特にエネルギーとタンパク質量が重要である.エネルギーでは,リハビリテーションにより消費されたエネルギー量も考慮する必要がある.フレイルおよびサルコペニアの発症予防を目的とした場合,1.0 g/kg 体重/日以上のタンパク質の摂取が望ましい.十分なエネルギー量を確保したうえでタンパク質を摂取することにより,タンパク質がエネルギー源として利用されることを防ぐことができる.また,高齢者では食欲の低下や嚥下機能の低下による食事形態の調整で摂取できる栄養価が下がるため,栄養補助食品を利用することが勧められる.

キーワード 低栄養,フレイル,エネルギー,タンパク質,嚥下調整食,形態調整

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