Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 10 No. 1 pp 16-19, 2020

特集1 言語聴覚士に必要な運動生理学
総説 筋力の構造と機能

津田英一

弘前大学大学院医学研究科リハビリテーション医学講座

要旨 骨格筋は,身体運動を行うための最終的な出力器官としての役割を担っている.その最小単位は筋原線維を構成する筋節であり,収縮タンパク質であるミオシンとアクチン間で滑走が生じることで筋は収縮する.筋収縮により発生する張力は,その生理的断面積と,収縮速度はその筋長と相関し,筋の基本的な機能特性を決定づける.臨床的に測定される筋力は,関節運動によって発生するモーメントによって提示されることが多く,筋張力以外にも関節の構造,筋の付着位置や屈曲角度の影響を受ける.

キーワード 骨格筋,筋線維,筋原線維,筋収縮,筋力

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