Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol.1 No.1 pp 19-23,2012

UUMNディサースリア1例の臨床経過:
CIセラピーとリズミック・キューイング法の有効性に関する検討を中心として

小久保由里香1) 西尾正輝2)

要旨:一側性上位運動ニューロン性(unilateral upper motor neuron;UUMN)ディサースリアに対して有効な言語治療手技については不明な点が多く,ことに臨床経過については内外においてほとんど検討がなされていない.本論ではUUMNディサースリア1例に対してconstraint-induced movement therapy(CIセラピー)とリズミック・キューイング法を実施し,その有効性について検討した.臨床経過より,いずれも有効であった.また,国際生活機能分類(International classification of
functioning, disability and health;ICF)に基づいて体系的に治療を進めたことによって効率的に各レベルで時宜に適った治療効果を得ることができたものと思われ,その重要性が示唆された.

キーワード:UUMNディサースリア,CIセラピー,リズミック・キューイング法,国際生活機能分類

1)真岡中央クリニックリハビリテーション科
2)新潟医療福祉大学医療技術学部言語聴覚学科(〒950-3198 新潟県新潟市北区島見町1398番地)

受稿日:2011年8月14日 受理日:2011年11月24日

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