Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 15 No. 1 pp 135-142, 2025
特集2
地域包括ケア時代の言語聴覚士の職能性
総説
地域における聴覚障害のある人を支える ー加齢性難聴の理解と支援ー
萩野未沙
独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 リハビリテーションセンター
要旨
加齢性難聴は認知症やフレイルなどのリスクを高め,本人への不利益だけでなく社会全体に及ぼす負の影響が大きい.早期発見・早期対応が重要であるが,スクリーニングの仕組みや相談の場がない,難聴を感じた際の受診率が低い,難聴と補聴器への誤解がある,成人軽度~中等度難聴の補聴器購入費用助成制度が整っていない,介護予防活動を担う聞こえの専門職が不足していることなどが課題となっている.難聴高齢者が置かれたフェーズを意識した連携や,地域や社会全体を俯瞰したより広い視点で支援を進めることが必要であると考える.
キーワード 高齢社会対策大綱,加齢性難聴,早期発見,認知症,社会的孤立,補聴器,言語聴覚士,補聴器相談医,認定補聴器技能者,介護予防,聴こえ8030運動,連携,ICF,スティグマ,ミクロ・メゾ・マクロ

