Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 15 No. 1 pp 97-105, 2025

特集2

地域包括ケア時代の言語聴覚士の職能性

総説

地域における吃音・流暢性障害のある人への支援を考える
前新直志
国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 保健医療学専攻 言語聴覚分野

要旨 
吃音症(stuttering)は,ことばを滑らかに話すことが困難な症状である.原因不明の発達性吃音と発症機序が推定されている獲得性吃音,早口言語症などがある.発達性吃音は古い時代からその症状が確認されているものの,現代まで原因は特定されておらず,医学・薬学の対象から遠い.そのため症状が持続する場合のほとんどは“吃音のある人生”となる.吃音・流暢性障害のある子どもやその保護者,大人への支援は,言語聴覚療法や学校教育の通級指導教室を含めた機関だけではなく,地域・社会全体において当該症状の理解を深め,必要に応じた円滑な障害者手帳交付手続きや,その他セルフヘルプ活動などを通して支援していける体制構築が必要である.
キーワード 吃音・流暢性障害,吃音児者の心理,地域・社会,セルフヘルプ活動

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