Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 15 No. 1 pp 65-74, 2025
特集1
高齢者モデルにおける摂食嚥下リハビリテーション
総説
サルコペニアの摂食嚥下障害 ーその背景と基礎および臨床ー
森 隆志 1),西尾正輝 2)
1)総合南東北病院 口腔外科 摂食嚥下リハビリテーションセンター
2)日本海医療福祉研究施設
要旨
サルコペニアの摂食嚥下障害とは全身および嚥下関連筋群のサルコペニアによる摂食嚥下障害のことである.診断法には診断フローチャートがあり,治療は,早期経口摂取,早期離床,積極的な栄養療法が重要である.該当する患者は多く,急性期の摂食嚥下リハビリテーションの対象者のうち約1/3がサルコペニアの摂食嚥下障害である.サルコペニアの摂食嚥下障害の発症の背景には,加齢,フレイル,オーラルフレイル,サルコペニア,低栄養がある.また,そのリハビリテーションにおけるキーワードは,栄養管理,レジスタンス運動を含む運動療法,リハビリテーション栄養であり,これらを考慮した臨床が有用である.本稿では,サルコペニアの摂食嚥下障害の概念と背景,発症機序について解説したうえで,そのリハビリテーションにおける臨床とその展望について提示する.
キーワード サルコペニア,摂食嚥下障害,低栄養,レジスタンス運動

