Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 15 No. 1 pp 28-36, 2025
特集1
高齢者モデルにおける摂食嚥下リハビリテーション
総説
超高齢社会におけるリハビリテーションのパラダイムシフト ー脳卒中モデルから高齢者モデルへ(治療的リハから予防的リハへ)ー
大久保啓介
佐野厚生総合病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科
要旨
超高齢社会の進行により,フレイルやサルコペニアを背景とする摂食嚥下障害の増加が見込まれる.従来の脳卒中モデル中心の摂食嚥下リハビリテーションでは対応しきれず,高齢者モデルへの転換が必要である.本総説では,高齢者モデルにおける摂食嚥下機能評価の要点と,摂食嚥下障害臨床的重症度分類(Dysphagia Severity Scale:DSS)に基づく重症度別対応方針と言語聴覚士の役割を概説した.さらに,可逆的段階での早期介入がフレイル進行の抑制と生活の質(quality of life:QOL)の維持に寄与し得ることを,実症例を通じて示した.
キーワード フレイル,サルコペニア,摂食嚥下障害,高齢者モデル,DSS

