Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 15 No. 1 pp 14-24, 2025
特別寄稿
社会的フレイル ーその概念と実践的予防ー
藤原佳典
東京都健康長寿医療センター研究所
要旨
フレイルが包含する社会的側面の諸課題について簡便に「社会的フレイル(social frailty)」と称される.フレイルの概念として,ADL障害発生のリスクの1つと捉える「臨床医学モデル」と生活機能に着目する「公衆衛生学的モデル」がある.フレイルの予防・改善については,健常な状態からフレイルへの移行を防ぐポピュレーション・アプローチとしての「フレイルの発症予防」と,すでにフレイルな状態の人が進行を予防するハイリスク・アプローチとしての「フレイルの重症化予防」がある.フレイル対策の社会面での中核である孤独・孤立予防の具体的手立てとして,筆者らは絵本の読み聞かせを介した世代間交流プログラムを展開してきた.今後は,同プログラムのさらなる展開に向けて言語聴覚士などの専門職の参画が期待される.
キーワード フレイルの社会的側面,ポピュレーション・アプローチ,ハイリスク・アプローチ,コミュニケーション,ソーシャル・キャピタル,絵本の読み聞かせ

