Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 9 No. 1 pp 93-97, 2019

特集2 ディサースリアの治療の重要論文を読む:黎明期
翻訳 ディサースリアとその治療

Dysarthria and its Treatment

Samuel D. Robbins
(Journal of Speech Disorders, 5:113-120, 1940.)
Emerson College, Boston, Mass
訳:磯野千春
近畿大学病院リハビリテーション部

 ディサースリアは神経刺激の放出(放電)が妨げられることによって起こるあらゆる構音の障害を包括する.原因は損傷,炎症,変性や発達の停止,もしくは構音を調整する頭蓋内の末梢神経の損傷である.運動野皮質下のベッツ細胞(錐体細胞)が侵されている場合は別だが,大脳皮質病変ではディサースリアは起こらず,それどころか他の皮質病変では失語症,精神疾患もしくは精神衰弱(mental deficiency)が起こるかもしれない.

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