Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 9 No. 1 pp 29-40, 2019

特集1 さまざまな神経筋疾患を理解する
総説 脳血管障害の病理:ディサースリア,摂食嚥下障害の原因として

宮田 元
秋田県立循環器・脳脊髄センター研究所脳血管研究センター脳神経病理学研究部

要旨 日本人の死因の第3位を占める脳血管疾障害は臨床的に1)無症候性血管障害,2)局所性脳機能障害,3)血管性認知症,4)高血圧性脳症の4つに分類される.これらのうち局所性脳機能障害に含まれる脳卒中と血管性認知症はディサースリア・摂食嚥下障害を来しうる重要な疾患群である.各疾患の原因にはさまざまな血管病変があり,その多くは脳循環にあずかる動脈に発生する.また,心疾患やその他の頭蓋外疾患も脳卒中を引き起こすことがある.本稿では脳血管障害の代表的な背景病理について概説する.

キーワード 脳血管障害,脳卒中,病理

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