Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 9 No. 1 pp 100-108, 2019
特集２ ディサースリアの治療の重要論文を読む：黎明期
翻訳 脳損傷に起因するディサースリアの病理と治療
A Contribution to the Pathology and Therapy of Dysarthria Due to Certain Cerebral Lesions＊
Emil Froeschels, M.D.
Speech Clinic, Department of Pediatrics Mount Sinai Hospital, New York City
（Journal of Speech Disorders 8（4）：301-321, 1943.）
訳：森 隆志
総合南東北病院口腔外科摂食嚥下リハビリテーションセンター
Ⅰ．はじめに
国中で，“spastics” にかかわる発話と発話の発達に対する関心が高まっている．さまざまな著者によって著された最近の出版物のおかげで，“spastics”の治療に用いられる手技が改善されつつある．Helen R. Fagan４，５），Palmer13），Pusitz15），Robbins16），Carlson３），Zentay22）は，spastics について中枢神経系の損傷の後遺症を調整するために現代の神経学的・言語学的手法を利用することの必要性について強調している．─“spastics”について書かれ，「Journal of Speech Disorders」誌に掲載されたきわめて興味深い論文が２つあり，１つは匿名で１），もう１つはMcKibben11）によって著されたものである．