Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 8 No. 1 pp 42-48, 2018

ディサースリアと摂食嚥下障害に合併する高次脳機能障害

米田孝一

要旨:高次脳機能障害は臨床的には脳の器質的原因により,失語,失行,失認,記憶障害,注意障害,遂行機能障害,抑うつ,脱抑制,幻覚妄想,パーソナリティ変化などが生じた状態として定義される.一方で行政的な定義と診 断基準が存在する.脳血管障害や変性疾患においてディサースリア,摂食嚥下障害が生じることがあり,そこに高次脳機能障害の症状を合併していることがある.診断基準や定義に縛られずに,目の前の患者をどうするかという臨床的な視点に立った方策が求められる.

キーワード:高次脳機能障害,注意障害,記憶障害,遂行機能障害,社会的行動障害

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