Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 8 No. 1 pp 115-118, 2018

ディサースリアのある発話者の自己の発話認識と認知機能に関する研究

原 大介 福永真哉

要旨:ディサースリア事例 25 例を対象に自己の発話障害に対する認識と認知機能の関連について検討した.対象を「発話コントロール実施群」(以下,実施群)と「発話コントロール未実施群」(以下,未実施群)に独自の分類基準により分類し,認知機能,前頭葉機能の検査結果を比較し検討した.その結果,①MMSE の得点と自己の発話認識が判別要因として大きく関与していた.②実施群は MMSE ならびに FAB の得点が未実施群に比べ有意に高かった.③未実施群は ST とクライアントによる会話明瞭度評価,DEX の本人評価と家族の評価の間で有意差を認めた.
 実施群では認知機能が保たれていたことから,MMSE,FAB の得点は自己の発話障害を評価する指標として有用な可能性が示唆された.

キーワード:ディサースリア,発話コントロール,自己の発話認識,認知機能,前頭葉機能

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