Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 4 No. 1 pp 19-24,2014

(特集 パーキンソン病を極める)

パーキンソン病薬物治療の進歩

大江田知子

要旨:パーキンソン病の薬物治療の発展は目覚ましく,パーキンソニズムの長期のコントロールが可能になり,患者の生命予後を改善するにいたった.なかでもレボドパは効果・安全性ともに優れるが,長期使用による運動合併症が問題になる.その欠点を補うために,より安定した効果のドパミンアゴニストが開発されたが,使用上注意すべき点も多い.他方,経過を通じて,パーキンソン病には非運動症状と呼ばれる自律神経症状や精神症状・認知症などの合併症がある.患者の生活の質を保つためには,同時に非運動症状に対するアプローチが必要である.

キーワード:パーキンソン病,薬物治療,運動合併症,非運動症状,持続性ドパミン刺激,姿勢異常

国立病院機構宇多野病院神経内科・臨床研究部

受稿日:2014年9月9日 受理日:2014年9月9日

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