Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 11 No. 1 pp 17-22, 2021

特集1

予防的摂食嚥下リハビリテーションへの挑戦

総説

地域包括ケアシステムの中における予防的リハビリテーションの意義
大渕修一
東京都健康長寿医療センター高齢者健康増進事業支援室

要旨地域包括ケアシステムとは施設,事業所,医療機関のケア資源を地域に開放することで住み慣れた家に過ご す時間をできるだけ長く保つことを目指すシステムである.予防的リハビリテーションは運動機能,認知機能など高 齢期の生活機能低下への改善効果があることが報告されている.介入は1)中等度以上の負荷であること,2)系統 的な介入であること,2)運動・認知・栄養・咀嚼嚥下など包括的な介入であることが求められる.通いの場への関与, 短期集中のサービス類型 C において,予防的リハビリテーションへのニーズがある.地域包括ケアシステムの中の予 防的リハビリテーションは地域の心身機能を改善するだけでなく,老いを受容するプロセスを促進する意義がある.
キーワード地域包括ケアシステム,予防的リハビリテーション,通いの場,サービス類型 C,老いの受容

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