Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 10 No. 1 pp 32-39, 2020

特集1 言語聴覚士に必要な運動生理学
総説 レジスタンストレーニングの基礎理論

谷口匡史,市橋則明

京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻

要旨 レジスタンストレーニングは,骨格筋機能の維持・向上に不可欠である.安全かつ効果的なトレーニング処方には,まず筋力発揮の構成要素である骨格筋の構造的・神経的要因について理解する必要がある.また,筋力増強や筋肥大のためのトレーニング原則や原理が存在するため,これらの理解を深めることでトレーニング効果を最大限に引き出すことが可能となる.定量的な筋力・筋量測定法を活用し,トレーニング効果をモニタリングすることで対象者の状態把握やトレーニングプロトコルの変更に有効である.高齢者に対するトレーニングでは,低負荷高頻度による運動処方が推奨され,栄養療法との併用に高い効果が期待できる.

キーワード 骨格筋,筋力発揮,トレーニング

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