Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 15 No. 1 pp 160-164, 2025
特集2
地域包括ケア時代の言語聴覚士の職能性
総説
頭頸部がんの言語聴覚療法 ー急性期から生活期に至るまでの地域での継続的支援の必要性ー
田村友美 1),安松隆治 2)
1)近畿大学病院 リハビリテーション部
2)近畿大学 医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科
要旨
2010年度の診療報酬改定により「がんのリハビリテーション料」が新設され,頭頸部がんにおいては言語聴覚士の役割が重要視されている.口腔がん・中咽頭がんでは切除範囲に応じた構音・嚥下障害が生じ,術前後の評価と訓練が不可欠である.下咽頭・喉頭がん術後には代用音声の指導や呼吸器ケアが求められる.放射線治療中・後は嚥下機能障害への予防的介入と継続的訓練が重要である.生活期に移行し地域での外来リハビリテーションを行う段階では栄養状態の管理と訓練内容の調整を行う.長期的視点での支援とエビデンス構築が,今後の課題である.
キーワード 頭頸部がん,構音障害,嚥下障害

