予防的摂食嚥下リハビリテーションへの挑戦
西尾正輝
新潟医療福祉大学・日本海医療福祉研究施設
従来の摂食嚥下リハビリテーションは,既に発生した障害に対して,その改善を図ることなどを目的とし,医療・ 介護領域で行われてきた.しかし,障害が発生してからでは遅い.障害を引き起こさないように予防するという観点から,嚥下機能に取り組む必要性を近年筆者は主張してきた1-3).そのためには,関連職種がクライアントを適切なアウトカムへと導く予防技術を身につけ,地域住民の健康を支える責務感をしっかりと持つことが求められる.