平成24年10月7日-8日,東京医科大学病院臨床講堂にて第1回日本ディサースリア学術集会が開催された.大会長の大役を仰せつかり,事務局長・実行委員長の鈴木真生先生とともに,この1年間は学術集会の準備に明け暮れた.成功裏に会を終えることができたが,その背景として,何よりも鈴木真生先生の緻密で卓越した能力と実行力を挙げないわけにはいかない.また,阿部尚子財務部長と山崎暁総務部長の頼もしいご支援と多くの関連スタッフの方々のご協力に心より深謝の意を表したい.

プログラムをふりかえると,特別講演として米国における音声治療の最前線についてお話してくださった城本修先生,カレントトピックスとしてLSVTの最新情報についてお話してくださった倉智雅子先生,治療技術セミナーを担当して下さった福永真哉先生と中山剛志先生,いずれも充実したすばらしいものであった.書籍では伝えることのできない臨床の具体的側面を音声と映像を通して,そして何よりも演者の生の声を通して伝えることがいかに貴重なものであるかを多くの参加者が感じられたようであった.アンケートの結果は,いずれも好評であった.

シンポジウムでは「顔面のCIセラピー」を企画したが,今回のシンポジウムを通して確実にこの領域の進展がみられたと思う.その詳細は本号の特集でご覧頂きたい.活発な質疑応答ならびにアンケートから,顔面のCIセラピーに対する参加者の関心が驚くほど高いことを知った.座長の労を取って下さった福永真哉先生ならびにシンポジストの先生方に御礼申しあげたい.一般演題数は少なかったが,貴重な知見が報告され,活発な質疑応答がなされた.アンケートからみて,全体として非常に満足度の高い学術集会であったと思われる.

会長講演として会話訓練法についてお話させて頂いたが,実は,この日に合わせて「会話訓練集」という書をインテルナ出版社より出版する予定であった.しかし,間に合わなかった.残念ではあったが,本当に良いものを世に贈るために安易に妥協はしたくなかった.現在校正中であるが,とことん細部にわたってこだわり続け,本書を通してディサースリアの治療の領域に新たな道を切り開きたい.

また,もう一つ残念だったことは,会場の事情により事前登録制とする必要があり,すべての参加希望者を受け入れることができなかったことである.7月初旬に既に定員に達したため,それ以降の参加希望物をお断りしなくてはならなかったのは断腸の思いであった.隅で立ったままでも良いから参加させて欲しい,という方もいらっしゃった.こうした方々のために,プログラム集を多めに印刷したので,宜しければ残部がある限り提供したい.この点について,詳細は大会事務局にメールにて問い合わせて頂きたい(gakujutsu@tama-riha.ac.jp).

学術集会を終えて,達成感を感じた.智の結集はすばらしい.本年は本研究会誌である「ディサースリア臨床研究」を創刊するという一大事業を始めたが,いずれも順調に乗り出した.本研究会が発足して過去10年間私たちは確実に日本のディサースリアの領域に新しい道を切り開き続けてきたが,今,新たなる扉を開き,新たなる荒野に道を切り開くステージに立っていることを実感している.

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