2009年3月21日(土),22日(日)の2日間,青森で第21回標準ディサースリア検査(AMSD)講習会が開催された.東北で開催した最初のAMSD講習会であった.平成20年度の役員会にて,この案を提出したのは私自身であった.東北地域のディサースリアの領域の遅滞ぶりが従来より指摘されているとともにニーズを感じていたからだ.実際に,昨年の夏に青森県言語聴覚士会主催の学術研修会よりお招きを頂き,エビデンスに基づいた新しいデイサースリアの評価と治療技法について4時間にわたって演習をまじえて講演を行ったさいの反応から,その関心の高さが伺えた.誤解を恐れずにいえば,「新しい臨床技術に関する情報に飢えている」という印象すら受けた.

他方で,冒険でもあった.第20回と第19回をともに名古屋で開催したさいにはそれぞれ約80名,約90名が受講し,申し込み者はいずれも100名を超えた.第18回を新潟で開催したさいには,約50名が受講した.果たして東北で行い何名の応募があるだろうか,という不安があった.しかし,たとえ赤字になろうとも開催したい,という私の意見に役員一同より賛同を得て開催に踏み切った.

結果として,約50名の方が受講した.青森県士会会長も参加してくださった.光栄である.アンケートの結果より,大多数の受講者が高い満足度を得られたことが伺えた.

今回の講習会が成功した背景として,まず青森県言語聴覚士会より多大なご支援を賜った点を上げないわけにはゆかない.また猪川先生,藤林先生たち多数の経験豊かな方々が「チャンスだよ」「ぜひ,参加しよう」と県士会の方々にお声をかけて下さったとお聞きしている.また猪川先生たちのご配慮により,岩手県言語聴覚士会より全会員に講習会の案内が配布され,また周辺の県や北海道のSTたちにも講習会の連絡が行き渡ったとお聞きしている.

このようにしてふりかえると,地域でAMSD講習会を開催するにはいかに地域の上層部の方々のお力添えが重要かということを学んだ講習会であったといえる.翻っていえば,その地域の臨床レベルが適切に発展するには,いかにその地域の県士会の上層部の方々が適切に判断するかが大切であることを学んだといえる.

国内のディサースリアの領域は,過去5年間程度で急速に進展している.言語聴覚学会などに参加する度に感じさせられる.LSVT,リズミック・キューイング法,ペーシングボード,CIセラピーなどの臨床効果に関する報告が相次いでいる.今年度の言語聴覚士国家試験をみても,LSVT,リズミック・キューイング法,ペーシングボードなどが出題された.総じて,私の予測を上回る勢いで,国内のSTたちのディサースリアに対する関心と技術は向上している.

問題は,ディサースリアの臨床技術について,地域による格差,ST間の格差が大きく開いた点にある.この点で,地域の上層部の方々の責務は極めて重いといえるであろう.

最後に,今回の講習会の事務局の労を執り,細部に至るまで尽力して成功に導いてくださった北東北支部長の木村恵美先生に心より御礼申し上げたい.

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