Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol.6 No.1 pp18-21,2016


─総 説─

続・会話訓練:スピリチュアルな次元からのアプローチ

西尾正輝

要旨: 会話訓練の目的には,1)各種の技法が日常生活で般化されること,2)会話を通した相互交流より生の意義が再獲得されたり持続されたりすること,と2点ある.後者を目的として会話訓練を実践するさいに,臨床家はクライアントとともにスピリチュアルな次元に関わっていることが少なくなく,ナラティブ・アプローチはこうしたスピリチュアル・コミュニケーションを実践するさいの具体的アプロ-チとして解釈される.会話訓練は,今後,スピリチュアルケアの一環として発展することが期待されるが,ナラティブ・アプローチはその臨床的な手法の一つとして有用である可能性を有していると思われる.

キーワード:会話訓練,ナラティブ・アプローチ,スピリチュアルケア,スピリチュアリティ,している発話

新潟医療福祉大学大学院言語聴覚学分野