Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 5 No. 1 pp 24-29,2015


─総 説─

医学系論文における文章の書き方

西尾正輝

要旨:医学系論文における文章の書き方について,1)執筆要項・投稿規定(スタイル),2)文章表現の原則,3)医学系の論文の文章作法のポイント,4)構想の立て方:マッピングの活用,5)初心者に散見される拙い文章例の5点から解説した.論文のスタイルは,必ず投稿する雑誌の投稿規定に従わなくてはならない.海外の雑誌に投稿する場合は,APAスタイル,CSEスタイル,AMAスタイル,NLMスタイルなどがある.文章作法として,医学系の論文では,客観的で科学的かつ論理的な文章が求められる.その際,単純な文法形式の文章が良い.修辞的表現は不要である.擬音語や擬態語も使わない.文学的に優れた知的表現や美文は医学系の論文では悪文となりかねない.抽象的な表現や感情的な表現,誇張的表現も避け,客観的事実に基づいた具体的な表現が望ましい.したがって,形容詞や修飾語の使用は必要最小限度にとどめる.難解な語彙も不要である.野球でたとえるならば,直球だけでよい.カーブなどの変化球は一切不要である.くどい表現も避け,端的で短い文章が良い.また,文章を書く際には,まず何について記載するかを分割し,見出しをつける.次に,見出しに付したテーマごとに,記載する内容を短いことばやキーワードでつなげていくマッピングという作業を行うと,記載内容が構造化されるため文章の構成が整理される.

キーワード:医学系論文,文章の書き方,投稿規定,マッピング

新潟医療福祉大学大学院医療福祉学研究科保健学専攻言語聴覚学分野
受稿日:2015年8月7日 受理日:2015年9月18日