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病態生理,重症度,臨床経過

1.病態生理

 ディサースリアのタイプによって,運動麻痺,異常筋緊張,筋力低下,協調運動障害,不随意運動などの異常な病態生理がみられます.

 2.重症度

 重症度は軽度から重度までさまざまです.一般に,発話明瞭度を中心として重症度を判定します.

一般に用いられる会話明瞭度の評価尺度
1.よくわかる
2.時々わからない語がある程度
3.聞き手が話題を知っているとどうやらわかる程度
4.時々わかる語があるという程度
5.全く了解不能

3.臨床経過

 ディサースリアの臨床経過は,一過性の場合もありますし,障害が残存する場合もあります.脳卒中後に一側の舌と顔面に麻痺が出現し構音とプロソディーが認められるものは,一過性ディサースリアの典型であり,しばしばみられます.前述のUUMNディサースリアがこれに該当します.この場合はしばしば数週間で自然回復によって発話障害が正常化しますが,残存することも珍しくありません.

 スピーチ・リハビリテーションの適応となるのは慢性化したディサースリアであり,この場合,音声言語治療により発話に改善がみられるもの,みられないもの,さらに病変の性質から増悪するものと,臨床経過はさまざまです.

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