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障害部位と障害される発声発語器官

 1.障害部位

 神経解剖学的損傷部位は,大脳皮質の運動野から発声発語器官の筋に至るまでの運動系のいずれかです.すなわち,中枢神経系または末梢神経系,あるいは両方にみられます.中枢神経系は,錐体路系,錐体外路系,小脳系に分けられます.さらにこれに,筋系の障害もディサースリアの原因をなします.

 2.障害される発声発語器官

 発声発語器官の中では,呼吸器,喉頭,鼻咽腔,口腔構音器官のすべてが障害されることがありますし,いずれかの器官の運動活動が障害されることもあります.呼吸器,喉頭,鼻咽腔,顔面の上部は両側の大脳から神経支配を受けているために障害されにくいのに対して,舌や顔面の下部は一側の大脳のみから神経支配を受けているので障害されやすいという特徴があります.ですから,半身に麻痺が見られる場合は,舌や顔面の下側にも麻痺がみられると推察して良いでしょう.

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